和太鼓という楽器と、八丈太鼓という演奏スタイル、音楽というもの、それをめぐるぼくらのグルーブな日常について できるだけ面白おかしく分かりやすく書いています。 沢山の人に読んでもらうのを過剰に意識してますが、まったく高尚なものではなく、疎にして雑。目くじら立てずに読んで下さい。
 This is personal blog I write about wa-taiko, Japanese drum, style of Hachijo-taiko, music itself and our groovy lives. I write them with humor, amusing way and easy for understanding as much as possible. I am conscious in large in surplus, but it is not so lofty, might be miscellaneous. Please don't flay and do enjoy to read.

2011年3月23日水曜日

太鼓の音(一)

音しだい

ムッとすることがあります。

太鼓はうるさいとか、苦情がくるとか、やかましーとか言われた時です。確かに太鼓の音はとても大きいけれど、それなら音が大きいと言えばいい。冒頭に書いたような言葉は太鼓を差別しているやんけ、と思います。

僕は太鼓の演奏を聴いて、うるさいとか思ったことがこれまで一度もないです。太鼓を習い始める前からで、子供の時からそうです。どちらかというと太鼓の音はすごく好きでした。とくに自分が叩いていないのに僕のおなかまでじんじんとしびれる感じが好きでした。

以前、ある学習塾の先生のロックバンドに一緒に太鼓も叩いてほしいと頼まれ喜んで引き受けましたが、会場からは断られたことがありました。電子楽器やスピーカーを使うバンドはOKで、和太鼓はNGなんだト。他にも和太鼓だけは勘弁してくんろ、と断る施設は多いです。やっぱり音が大きいからかな? それとも苦情が怖いからなのでしょうか。

太鼓の出演のときに、怒鳴り込んでこられることもしばしばです。今年の正月早々の鶴見明神太鼓でも近所のおじさんが、怒りながらのっしのっしとガニマタ気味でやって来て、ひとしきり文句をわめいたあとまたのっしのっし帰って行きました。正月早々そんなに怒らなくてもいいのになぁと思いました。

人の感覚とは微妙なもので、例えば鈴虫とかコオロギの鳴き声を愛でるのは東洋人で、西洋人はあれを雑音と聞くといいます。ほんと?→ジョンさん。また松任谷由美の声はだめだが、竹内マリアはよいとか。サッチモはいいけど、ボブ・ディランはちょっととか。
僕が嫌いな音は、おっさんが口をあけてガムを噛む音とか、おっさんが鼻の奥を鳴らす音とか、おっさんが奥歯につまった食べかすをしきりとチャッチャッシーシーする音とかそれくらいですが、あれを気にしない人もいるようだし。

太鼓のおおきな音に特別嫌悪感を示す人がいるのでしょうね。やっぱり音質というよりもあの大きさなんだろうなぁと思います。ドンッ!というたびにビクッと飛び上がり、またドンでビクッ、ドンビクッ、ドンビクッ、ドンビクビクッを繰り返していると、そりゃま嫌でしょうね。お囃子のしめ太鼓に苦情が来たと聞いたことがないので、やっぱり音の大きさなんでしょう。

ところで太鼓の音質や大きさもひととおりではないです。この辺になるとうまく説明できないですが、稚拙さを恐れずに書きます。
音の大きさだけでも十段階以上です。音質は突き抜けるような音、留まる音、歯切れのいい音、なまる音、粘る音、響き渡る音・・などいくつもあります。音の大きさと音の質を自在に叩き分けられたらすごいと思いますが、当然僕にはまだまだでござんす。

無論太鼓は一音だけじゃなく、上で書いたようなさまざまな音をドンドンと打ったり、ドドドドドド、ドドンドン、と打ったりと縁(ふち)も併せて無限の構成がありそれぞれのフレーズで細かい叩きわけもします。楽器としてはシンプルですがシンプルだからこそこうも表現があるのかなと思うのです。

また太鼓はひとつづつ音がまったく違います。革の柔らかさも音も、胴の反響の仕方も。ずっと同じ太鼓をたたいていて、急に違う太鼓をたたき始めると、革の感じが違うのでとても叩きにくいことがあります。

もちろん僕は太鼓の良しあしを言うより前に、自分自身の腕の良しあしを何とかしないといけないのです。そうしないと「騒音だやかますぃー」と言われてしまうのです。