ある日テレビを見ていて(テレビはあまり見ないんですよ!)古武術[古武道]の紹介とその先生の話にぐぐっとのめり込んでしまいました。
そのテレビ番組で古武術の先生が紹介されていたのは、闘うための武術ではなく、体の使い方の講義でした。先生曰く、古(いにしえ)の人は限られたエネルギーで非常に効率的に体を使い驚くほどのパワーを出していたと言うのです。
分かりやすく手本を見せてくれましたが、古武術の先生は片手だけで、118キロの柔道のオリンピック金メダリスト吉田秀彦氏を体ごと持ち上げます。また相撲三本勝負で2勝1敗です。組み手をしても信じられないぐらいの早い技をものすごく自然になめらかに繰り出しています。柔道では絶対にひっくりかえされていはいけない吉田氏の寝技の構えをいとも簡単にえいっとひっくり返していました。NHKの番組なので多分そそらく絶対にヤラセではないはずです。
http://www.nhk.or.jp/bakumon-blog/2011/11/vs.html
現代人の体の使い方は「筋肉に頼りがちな非効率な使い方」ということです。たとえば歩く・走るは、通常は右手右足を交互に出しますが、そうすると体がねじれてしまう分、負荷がかかると。古武術の世界では、手は振らず腰にそえて、若干体を前のめりになり重心に任せて歩きます。あるいは走ります。つまり体を動かすというより、重心移動によって体が勝手に動くしくみです。
四六時中太鼓のことばかりを考えているえらい僕は、この講義をみていつも遠藤先生が言っている太鼓の叩き方に通じるものを古武術に感じ取りました。僕はとても効率の悪い太鼓の叩き方をしているのではないか、いや実際そうなんだ、と思いました。重心の移動や体の動きに合わせて他の体の部位が滑らかに動くためには、体に力を入れず柔らかくしておくことが肝要です。例えば、足を広げ腰をや胸から上を柔らかくして上半身を回転させれば、デンデン太鼓よろしく腕がダイナミックに動きます。加えて胸そらせば腕が右腕は後ろに伸び、腰を落としてお辞儀をすれば左肩が自然に下がります。
極端に言うと殆どの太鼓の動きが腕を意識せずとも腰と胸のスウィングによって柔らかくダイナミックに動きます。しかも何よりもその方法で太鼓を叩くとあまり疲れないのです。リズムに合わせて太鼓を叩くというのは、足腰をリズムのせて(下打ちに乗って)腕ではなく上半身をブワッ、フワッ、スワッ、サー、と動かすのではないでしょうか。最後は長嶋的な適当な表現になってしまいましたが、僕もまた一つ理屈だけは分かったつもりになったわけです。
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